命と心のふるさとを
私は少年期を、磐田郡龍山村の山中で過ごしました。小学校から徒歩一時間の山道。夏にはマムシが出て、冬にはイノシシに畑を荒らされ、犬を飼うのは猿除けでした。大自然の怖さを肌で感じつつ、その恩恵に感謝する心を育んでもらいました。神職をしていた祖父の影響もあったと思います。
人間社会、特に都市の生活では、自然を征服したかのような錯覚に陥ります。しかし、空気も水も、米も野菜も、田舎や山で作られます。経済を放っておけば人も資源も都市へ流れ、田舎は精気を失います。それは都市にとっても良くありません。
田舎や山は命と心のふるさとです。それを守るのもまた人間の理性と感性の為すべきわざでしょう。田舎と都市のちょうどいい関係・・・この遠州ならきっとそれが出来ると思います。